白神山地の人と暮らしと文化


白神山地には昔から自然と人との共生により育まれてきたブナ帯文化があります。

クマの狩猟や山菜などの採取により生活を営んできた「マタギ」は1,000年以上の歴史があるとされ、すべての獲物は山の神の授かりものとして白神を深く信仰されてきましたが、文明の発達した今日に至っては厳密なマタギの生活をする者はいなくなりました。しかし、マタギの血を引き継ぐ末裔は、ガイド業などを通じてマタギ文化を次世代へ継承しています。

また、豊富な森林資源を活用して、木材利用や薪炭生産、ブナ材を盆、椀、盃などの漆器の木地としてつくる木器づくりが住民の生業として盛んに行われたほか、白神山地周辺の尾太鉱山では銀・銅・鉛を、太良鉱山では鉛が産出され繁栄してきました。

このような白神山地の恵みを基盤とした伝統的な文化が今日まで継承されており、わたしたちはこれからも白神山地の恩恵に感謝するとともに後世へ伝承していきます。